貧乏お嬢様と執事君!



「ばいばーい」


「また明日ね~」


同じような言葉が飛び交う中、井筒だけは誰にも挨拶をせず、茶髪の少女を尾行していた。


数百メートルの距離をとり、サングラスまで装着してやる気満々の彼を、やはり通り過ぎて行く人々は憐みの視線を投げかけていく。


黒巻き髪はあたりを警戒しているが、隣の鷹司のあまりのも無防備な笑顔につられ、徐々に精神を緩めている。


「………れじゃ」


「うん!………たね」


遠くからとぎれとぎれで聞こえる会話は前記のものだ。


しめた、と校門の前まで移動する。


いらぬ草木の棒まで持って。