「返してほしい?」 「おっおう」 「はい」 あっけなくチケットを手放した。 しかし舞ったチケットは井筒の手元へ帰ってくることはなく、光沢を放っている床へと舞い降りた。 井筒が拾うと膝を曲げた瞬間、ぎゅりっと火花がでそうなほど強く、白い足がチケットを踏みつけた。 「あああああああ!」 「あら。ごめんあそばせ?」 天女の笑みで言う椿野の足元で、奴隷のように崩れ落ちた。 このとき、クラスメイトはみな同じ思いを抱いた。 ………椿野、恐るべし。