貧乏お嬢様と執事君!



男がレディに現金は出させることは礼儀知らずだが、仲間同士というならどうなのだろう。


井筒はしてやったり、と小馬鹿な笑いを椿野に向けた。


「うん行く!ありがとう!」


それだけに鷹司の返事は予想外のものだった。


オーバーなリアクションで井筒が後ろへずっこけているうちに、席替えに気合を入れる生徒のように素早く井筒の手の中からチケットを奪った。


「あっ!返せ!」


「………これは有り難くいただいておくわ」


「返せよ!僕んだぞ!」


ガキ大将におもちゃを奪われたような泣き声で叫ぶ井筒を一瞥し、椿野は優雅にほほ笑んだ。