学食を出て、廊下を歩く二人。

その間も、擦れ違った生徒達のヒソヒソ話は聞こえる。

「美少女二十選候補に選ばれたアリスカちゃんよ」

「ベストカップル賞候補にも選ばれてんだろ?」

「畜生、いいなあ、あんな彼女がいて…」

(ま、まだ彼女じゃないですよっ!)

大声で訂正したい眼鏡男子である。

「なんか…凄い騒ぎになっちゃったね」

眉を顰めて苦笑いするアリスカ。

活発な性格ではあるものの、彼女は不必要に目立つ事を好まない。

この騒ぎはあまり好ましくないと感じている筈だ。