「雫、お前もういいからさ、帰れよ」 「え?」 瞬二はあたしに背中を向けたまま、冷たくそう言った。 焦がした鍋を、洗ってくれてる…。 「何で?それに、片付けはあたしやるから」 「いいから、帰れって!」 瞬二は怒鳴ると、黙々と片付けをしてる。 「ヒドイよ…。そんな、冷たい言い方しなくたって」 泣く女は嫌い。 だけど、今のあたしは、涙が止められなかった。