あれは、小学生になったか、ならないかの頃。 近くの空地に、小さな洞窟みたいな場所があって、そこを“家”にしてたんだよね。 街灯だけで、うっすら顔が見えるこの部屋は、あの時の洞窟みたい。 「ああ…思い出した。なぜか、雫がお父さん役で、オレが料理するんだよな?」 「う、うん」 あの頃は、完全に瞬二をナメてたもんなぁ。