「あっ、おい!雫!」 タケルの声が、背中に聞こえるけど、あたしはそのまま足早に立ち去った。 「泣きそう…」 あんな言い方しなくったって…。 子供の頃は、「雫~!」って言いながら、あたしを追いかけてたじゃない。 それに、置いて帰ったら、泣いてたくせに。 「瞬二のバカ…」