「雫。帰ろうぜ」 「あっ、うん!」 「じゃあね。雫、瞬二くん」 瞬二は彩子に軽く手を振って、あたしと歩き出した。 いつの間にか、“男”になっちゃったんだよね~。 あの高い声も、今じゃ聞けない。 「ねえ、瞬二。もう少し、ゆっくり歩いてよ?」 「え?あ、ああ。ごめん」 一歩先を歩いてた瞬二は、スピードを落とした。