「…ず!…ゆず!…柚子っ!!」


まだ虎太郎の行動を理解できず考えながら走っていると、自分の名前が呼ばれていることに気がついた。


「えっ!?…って、紗那!遼基も!」


あたしの名前を読んでいたのは紗那だった。


「何走ってんの?しかも顔赤いし…どうしたの?」


「紗那と遼基を探してたの!」


顔が赤いことについては、あえてふれなかった。


「俺らも探してたんだ。で、なんで顔赤いわけ?」


なのに、遼基はそんなことはおかまいなく聞いてくる。


「…暑いからかなっ!そんなことより、シート引いたから行こうよ!」


「そっか。じゃあ、柚子案内して☆」


「了解!こっちだよ!」


ふぅ~。何とかごまかせたみたい。