初めて見たユカさんの涙だった。


そんなしおらしいユカさんを見ながら、俺はふとあることを思い出していた。


一見華奢に見えるユカさんが配送の時に、俺が持てる倍以上の荷物を持っているのを見て仰天したことだ。


「プロレスラーだからあんなに怪力だったのか・・・」


俺は妙に納得した。


現実にはユカさんのほうが俺の何倍も強いだろう。


でもユカさんにもしものことがあったら、俺が命を賭けてでもこの人を守ろう!


俺はこの日、そう心に強く誓った。