それから陽菜はあの少女の腕にあった「FD」という緋文字の事を玄野に話してみた。優等生の玄野なら何か分かるかと思ったからだ。しかし彼も首をひねるばかりだった。
「ううん……普通FDって言ったらパソコンのフロッピーディスクの略だけど。でも今じゃフロッピーなんて使ってる奴いないだろ?」
「そうでもないよ」
突然リビングの入り口から声がした。その声を聞いた途端、陽菜の顔がパアッと明るくなり、猫のように陽菜はその声の主に飛びついた。
「兄さん!久しぶり!にゃああん」
「こら、年頃の娘が男に抱きつくな!」
「いいじゃあん、実の兄妹なんだから」
「そういう問題か!こら、だからそんなにくっつくな」
「いやあ、ほら、陽菜のここも成長したってところをさ、実感してもらおうと思ってさ」
直後に兄のゲンコツが陽菜の頭のてっぺんに炸裂し、陽菜は名残惜しそうなふくれっ面でその人物から離れて、床に座り込んだ。
「お久しぶりです。明雄さん」
玄野がそう言ってその人物に頭を下げる。彼、陽菜の兄である明雄はスーツの上着を脱ぎネクタイを緩めながら言った。
「まったく。親父とお袋が泊りがけで外出だっていうから様子を見に来てみれば、陽菜、おまえは幼稚園児か?その調子で玄野君を手籠にしなかっただろうな?」
陽菜には9歳も年が離れた兄がいた。同じ親からなぜこうも出来の違う子供が生まれるのだろうと陽菜自身が長年疑問に思っている程良くできた兄だった。小さいころから学業抜群、東京大学にストレートで合格し、これまたストレートで一番上のレベルの国家公務員採用試験に合格、今では経済産業省に勤務している超エリート官僚なのだ。
「ううん……普通FDって言ったらパソコンのフロッピーディスクの略だけど。でも今じゃフロッピーなんて使ってる奴いないだろ?」
「そうでもないよ」
突然リビングの入り口から声がした。その声を聞いた途端、陽菜の顔がパアッと明るくなり、猫のように陽菜はその声の主に飛びついた。
「兄さん!久しぶり!にゃああん」
「こら、年頃の娘が男に抱きつくな!」
「いいじゃあん、実の兄妹なんだから」
「そういう問題か!こら、だからそんなにくっつくな」
「いやあ、ほら、陽菜のここも成長したってところをさ、実感してもらおうと思ってさ」
直後に兄のゲンコツが陽菜の頭のてっぺんに炸裂し、陽菜は名残惜しそうなふくれっ面でその人物から離れて、床に座り込んだ。
「お久しぶりです。明雄さん」
玄野がそう言ってその人物に頭を下げる。彼、陽菜の兄である明雄はスーツの上着を脱ぎネクタイを緩めながら言った。
「まったく。親父とお袋が泊りがけで外出だっていうから様子を見に来てみれば、陽菜、おまえは幼稚園児か?その調子で玄野君を手籠にしなかっただろうな?」
陽菜には9歳も年が離れた兄がいた。同じ親からなぜこうも出来の違う子供が生まれるのだろうと陽菜自身が長年疑問に思っている程良くできた兄だった。小さいころから学業抜群、東京大学にストレートで合格し、これまたストレートで一番上のレベルの国家公務員採用試験に合格、今では経済産業省に勤務している超エリート官僚なのだ。



