秋本がさした指の先には彼女がいた。 彼女の名前は、 前川 咲(マエカワ サキ) 決して美少女というわけではない。 ただ僕は、彼女のひたむきで一途な姿に胸打たれてしまったのだろう。 彼女の…肩より少し下まで伸ばした髪だとか、 大きな目とか、 細くて華奢な腕とか、 そして何より、彼を見たときの幸せそうな笑顔だとか、 彼女という存在が彼だけのためにあると想うと 何だか少し羨ましかったんだ。