汰一はそんな僕を不思議そうに見て、 「で、どうなんだよ?」 と聞いてきた。 今日の汰一は暑さのせいでどうかしちゃったのか、 珍しく恋愛話なんかに首をつっこんでくる。 僕は、水道場にもたれ掛かり 一つ深いため息をして ゆっくりと答えた。 「それは違う。 勝手に秋本が言ってるだけだし、 ………前川には……多分、すきな奴がいるよ………」