「なぁ、佑真…」

「ん?」





汰一が真っすぐ僕を見つめる。


そんな汰一を、

僕はまだ水をほっぺに含みふっくらとさせた顔で

見つめ返す。














「…佑真って、
前川って奴がすきなんだって?「ぶっっっっ!!!!」









せっかくたくさん含んだ水を、僕は一気にふいてしまった。


危うくその水は汰一にかかりそうになり、


横を通った女子テニス部の数人は

片や「キャーッ!!」と悲鳴を上げて、

片や「最悪…」とでも言うような、白々しい目で睨みつけてきた。