『あ・・・花変えてあんじゃん。』


着いたのはお墓。
お供えをして線香をあげる。


『今日も優勝したよ、拓ちゃん。
楽勝だった。
拓ちゃんのおかげだね。』

「優希・・・」


聞きなれた声に振り返ると
希望と先輩が立っていた。


「邪魔してごめんね。
でも、どうしても来たかったから・・・
拓くんに、報告したかったの。」

『何を?』

「あの才賀って人のこと。
優希絶対言わないでしょ?」

『・・・言おうとしてたよ。』

「はいはい。
先にお参りさせてね?」


希望と先輩も拓ちゃんのお墓に線香をあげる。

「じゃあ、先に帰るから。
あんまり遅くならないでね?」

『分かってる。』


2人が行ってから拓ちゃんに話しかける。

『もう2年かあ・・・
あたしも夏の大会終わったら引退だよ〜
拓ちゃんの引退試合観に行ったのが
ついこの間みたい。
時間が経つって嫌だね。』