『だったらなんで
最初から本気出さねぇんだよ!!』

あたしは才賀にくってかかった。
面越しに睨み付ける。

「意味ねぇだろ?
こんなとこで全力出したって。
決勝はあいつの鼻を
へし折ってやりたかった。
だからちょっとガチになっただけだよ。」

『はあ?!
お前、何様のつもりだよ?
ふざけんな!!』

「優希、落ち着けって!」

和樹があたしを制止するけど
そんなの聞かなかった。


「熱いね〜?
そんな可愛い顔してんだから
もっと違うことやりなよ。」

『まじムカつく!!!
胴着着てなかったら殴ってやるのに!!!』

「ちょ、優希!!
か、海斗助けて〜!希望ちゃ〜ん!!」


和樹の力なんてあたしにはどうってことない。
男に負けないために毎日努力してるんだ。