希望と体育館へ戻ると女の子に囲まれた。

「優希先輩、すっごくかっこよかったです!!
よかったらこれ、使ってください!」

そういって綺麗にラッピングされた
タオルをくれた。

『愛ちゃんいつもありがと〜!
大事にするね。』

頭をポンポンとすると愛ちゃんは
嬉しそうに顔をほころばせた。


「あっ!愛ずるい〜!」

「先輩!わたしにもしてください!!」


『あ、ごめん。
あっち行かなきゃいけないから・・・
また今度ね?』


逃げるようにその場を去ると
希望があっ!と声をあげた。

「そういえばね、順くん来てるんだ〜
言うのすっかり忘れてた!」

『え?児玉先輩?』

「うん。ほらあそこ!
前田先生の隣で手振ってるの。」


児玉先輩は2つ上の剣道部の先輩で
希望の彼氏。
よくうちにも遊びに来る。

先輩は剣道上手いから
じいちゃんも気に入ってる。