「え・・・」

手紙を集めていた優希の手が止まった。


その手の先には白い封筒に
小さく“才賀”と書かれていた。


散らばった手紙を鞄に入れ、
優希はローファーを履きながら
ゆっくりと封筒を開けた。

中から白い便箋を取り出すと
きっと睨み付けていた優希の表情が
少し柔らかくなった。

「あの才賀からだよ。
昨日は悪かったって!
連絡先教えてほしいってさ。」

『え?いきなり?
なんでそんな急に・・・』

「前にも会ってたんだよ。
ほら!全国選抜大会で手伝いした時に
あたしが仲良くなったやついたじゃん?」

『あ〜・・・
それがあの人だったの!?』

「そうだったんだよ〜!
いやあ、どっかで見たことあると
思ってたんだよな〜」


優希の顔はどこか嬉しそうだった。