『また来るね?ばいばい。』


家に帰る途中ふと
拓ちゃんの言葉を思い出した。

「俺だけ見て?」

あたしが不安だったときや悲しかったとき
優しく抱き締めて言ってくれた言葉。

拓ちゃんの目を見つめると
なぜだか元気が出た。
頑張ろうってそう思えた。



「優希先輩!!」

振り返ると真由ちゃんが走ってきた。

『あれ、真由ちゃん今帰り?』

「はい!
あの・・・一緒に帰ってもいいですか?」

『駅まで送ってくよ。』

「嬉しい!ありがとうございます♪」


真由ちゃんと並んで歩く。
うちから学校までは徒歩5分。
春とはいえ日が落ちるのは早い。


「あの・・・先輩、泣いてましたか?」

『へっ?なんで?』

「もしかして、あの人のところに?」

『うん・・・まあ。』