「面あり!勝負あり!」

「きゃー!!優希せんぱーい!!!」


黄色い歓声が体育館に響き渡る。


相手に礼をして
味方が待つ待機場所へ向かった。

「さすが〜」

『当たり前だろ?
あんなんあたしの敵じゃねぇよ。』

「まじ優希と当たる子可哀想だもんな〜
ほとんど初心者だろ?」


この体育館では
剣道の区大会が行われている
そして今高校生女子の決勝が終わった

「優希先輩!今年も楽勝でしたね♪」


1つ下のマネージャー
真由ちゃんが近付いてきた。

「女の子たち、凄かったですよ?
ったく、ルールも知らないくせに・・・」


そういう真由ちゃんも
あたしに憧れて
マネージャーになったのに・・・

なんて言えるわけなくて。


『まあまあ!応援は嬉しいし?
真由ちゃんもありがとう。
防具、部室に置いてくるね。』


試合が行われているのは
うちの学校の体育館

普段はボールの音がするここも
今日は竹刀の音と歓声が響く