一週間の逃亡



あたしは病室の窓から空を眺めてた


青い空とあたしってなんか程遠い気がして見るのをやめた


ため息がでる


息抜きに中庭に行くことにした

花壇のお花はかわいいと思ったけど

全然気分は晴れない



「お嬢ちゃん」

「え、あたし?」

「そうそう」

90歳くらいのおばあちゃんがあたしに声をかけた

「なんですか?」

「お嬢ちゃんにはあの子が見えるかい?」

あの子?

おばあちゃんの目線の先には誰も立っていない

「あの、誰も…」

「お嬢ちゃんにはあの男の子が見えんのかい…」

おばあちゃんは悲しそうな顔をした

ていうか、おばあちゃんが見てるのって

まさか幽霊?

いや、まさかね


おばあちゃんだし