一週間の逃亡



「お前、なんであんなこと聞いたんだよ」

「…だって、そんな予感がするんだ…」


「…その気持ちは俺にも分かる」

「あたし、今回ので分かった…あたしはもう時間がない」


「冷静だな」

「あたし、病気のせいで全然人生を楽しむことできないのかなって思うと嫌になるの」


今までもいろいろ我慢ばかりしてきた


学校も

友達も

家での暮らしも



「いっそのこと、死ぬまでに出来ることを楽しみたい!」

「やえ…」


「お母さんとお父さんには本当に申し訳ないって思ってるよ!

せっかく産んでもらったのに、病気と闘うこと諦めて…けど…っ」


目の奥からじわじわと涙が溢れてくる

そして一粒、二粒とこぼれ落ちる



「俺は分かるから…やえ、俺は分かる…俺もそう考えてた」




「山田蒼…お願いがあるの」


「なに?」