「………やえ…」


お母さんの声


身体かすごく重い


「…ん…」

「!!やえ?!」


「…お母さん…」


「…やえっ!!…良かったぁ…」


目ををあけるとお母さんは泣いていた

病気になった日を最後にお母さんの涙を見たことがなかったからびっくりした


「…あ、ごめんね…先生、呼んで来るね」

「うん」



お母さんを寝たまま見送るとドアの近くに山田蒼がいた

「起きたんだな」

「ありがとう、山田蒼のおかげ」

「お前の生命力だよ」


「山田蒼があたしに呼び掛けてくれたからだよ

ほんとに、あたし今頃山田蒼と一緒で幽霊だったかも」

「はぁー?絶対嫌だし」


二人で笑った


生きてることにこんなに幸せを感じたのは初めてだった



「やえちゃん?起きたんだね!

良かったよ、本当に」

「先生…ありがとうございます」


「ところで、誰かいたのかい?話し声が聞こえたけど…」

やばっ

「えっと、ひ、独り言喋ってたー…」

あはは…とごまかしてはみたが先生は顔にはてなマークを浮かべている


山田蒼の方を見ると苦笑いをしていた