先生は部屋から出ていった

「…ねぇ、山田蒼」


「なに?さっきのまぬけな死にかたのこと?」


「まぬけじゃないよ…

すごいよ…」



「そりゃどーも」


そっけないなー…



「なんで山田蒼はまだこの世にいるの?

やり残したことがあるの?」

「まぁ…」


「聞いてもいい?」


「ひみつー」


「ちっ、けーちー」

「ケチで結構」

こけこっこー…



まあ、言えないことだってあるか




「ふーん、……けほっ」


「大丈夫?」

「うん、ちょっと咳が出ただけだから」

「そ?ならいいけど」


「けほっ…けほっ…」


止まらない…


「やえ、ほんとに大丈夫かよ」


「う、うん……こほっ」


「ナースコール!」

なかなか咳は止まらず、ナースコールに手を伸ばし押す




これがあたしの命の終わりへのカウントダウンの始まりだった…