一週間の逃亡



「やえちゃん、みんなやえちゃんと遊びたいみたいだよ」

「そうなの?じゃあ明日にでもいっちょ遊んでやるかな!」


とか言いつつも心の中では嬉しいって思ってる

中学生のときからずっと一緒に遊んできた子たちだから

兄弟みたいに思ってる



「やえちゃんを見ていると昔この病院に入院していた男の子を思い出すよ」


「男の子?」


「すごく明るくてね、いい子だった

病気ってことを忘れさせるくらいにね」

「へぇ」



「僕は何度もその子に教えられたよ、命の大切さを」
「今はどうしてるの?その子」


「……」


…あ、…死んだんだ…

聞いちゃいけなかった



「…その子はね、病気だったんだけど病死したんじゃない」


え?

じゃあ、なんで…?


「ある日、鳥が木にとまっていたんだけど、その鳥は怪我をしていたんだ

その鳥を見つけたのがその少年」


「助けたの?」

「うん、木に登って鳥を助けた」

あたしは相槌をうつ


「けど途中で足を滑らせた」

「え…」


それで死んだの?


「打ち所が悪かったんだ、元々病気で体力も失われていたからね…」


「そんな…」

そんなの、悲しすぎるよ