一週間の逃亡



「…ねぇ、山田蒼」

あたしはムクッと起き上がり覚悟を決め話しかけた



「なんだよ」

「幽霊なのになんであたしはあなたが見えてるの?」


「………

知らねーし」


なんか、間があった


「ほんとは知ってるんでしょー!」

「知らねーって!」


あやしいなー


「あたし、霊感があるのかも…」

今まで全然見えなかったのに



山田蒼の方を見たてみたら目が合った


ちょっとそらしてもう一度ちゃんと見てみると、なんだか寂しそうな顔をしていた




ガラッ


「やえー林檎貰っちゃった!食べる?」

「…今いいやー」

今は目の前の幽霊で頭の中がいっぱいでそんな気分じゃない


「あらーそう?じゃあまた後で食べようか」

「うん」

「じゃあ、お母さんちょっと先生の所行ってくるわ」

ガラッ


お母さんは部屋から出ていった