挨拶は最低限で毎日済ませた。


「おはようございます」


笑顔で、相手の目を見て、姿勢を正して。

挨拶自体、することは嫌いでは無かった。
寧ろ、返されると安心感に包まれる位で。
……好きだったのかもしれない。


挨拶が出来ない時は、
毎回何故かもやもやと言い難い何かが、
自分の中を渦まいていて−−−



“良い子”でも、
“偉い子”でも、
“優等生”でも無いのになあって笑いたくなっていた。


勿論、性質的には“悪い子”でも無かったとは思う。