白狐の書



 「──……ん~、まぁ、なんだよ、名前なんだけど」

 「話しを摩り替えるのが上手いな、お前」

 「そりゃどうも。……んで、名前だけどさ」

 「シロとハクは却下だからな。クロもコクも駄目だ」





 「白」が駄目なら「黒」でどうだよ!みたいなノリも悪くはねぇけどさ、さすがにつまんねぇだろ、それじゃ。

 つうか、さりげなく白狐の書開いてるし。

 ……やべぇ、しくったら確実に死ぬな、俺。





 「『ルセ』とかいいと思うんだよ。『流星』って書いて、ルセ」

 「ルセ……?」

 「星、好きなんだろ?」

 「……悪くはないな。それに、なかなかいい響きだ」

 「んじゃ決まりな」

 「お前には特別、そう呼ぶことを許す権利をやろう。蓮、お前は私の名前を決めた、初めての人間だぞ」





 そう言って、白狐改め、ルセは可愛らしくはにかんだ。