「……いただきます」

 「はい、どうぞ」





 微笑む睡の顔を見ていられなくて、目を逸らす。





 思春期ってやつは、これだからもう……。

 なんて、下らない自己嫌悪をしながら、俺は朝食を口に運んだ。

 料理の腕は、いつも通りいまいちだが、文句は言わない。





 言える立場にもいねぇーし。





 ちなみに、ハムエッグには、塩コショウ以外にも、なんらかの隠し味があった。

 恐らく……砂糖。