「んなわけないでしょ!!なんかぁ…いきなり渡されたのよ。さくから!『これ、悠里に渡しといてくんない?』って。」 …そっ…か。 空…。 フッと朝のことを思い出す。 空の腕…力強かった。 引き寄せられて、空に優しく包まれて…。 思い出すだけでも胸がきゅう…ってなって、苦しい。 「…悠里?」 歌音が心配そうにあたしの顔をのぞきこむ。