黒猫にご注意を



「よろしく。」


アークが不機嫌な気がするけどまあ、いいや。


「しぐ「アルー!」


アークと何かの声が重なりアークの声は掻き消されてしまった。
私を呼ぼうとしたがアルを呼ぶ声に遮られる。


扉が大きく音を立てて開いたと思えば、すぐに視界は緋に染まった。緋の少女はアルに飛び付き、興奮した状態でアルに尋ねている。


「アル!例の子起きた?」

「サクロ、落ち着いて。」

「・・・あっ!!」


サクロ、と呼ばれた少女は緋の髪を靡かせる。彼女の緋を“綺麗だ”そう思った。次の瞬間、緋の髪と同じ色の瞳が驚き見開かれた。そして、すぐにアルから離れるとこちらに向かって来る。何故かその一瞬がスローモーションに見えたのだけど、


どんっ__と軽い衝撃が体に走った。


「・・・・っ!!」

「キャー!可愛いじゃない!」


ギュッと抱き締めるサクロは私の耳元で叫ぶ。キーンとした耳に顔をしかめながらこの状況を整理しようと必死に頭を巡らせる。


「この子がアークと一緒に帰ってきたんだよね?」

「時雨にとっては連れてこられた。だけどね」

「やーん。すっごい可愛いじゃない!ってかこの服なに?ちょっと汚れてるじゃない。なんでこのまま寝かせてるのよっ!可哀想だわっ!ってか女心がわかっていないわ!!」


耳元で一気に捲し立てるサクロに戸惑う。サクロの話を半分聞き流しているアークとアル。