「…ふぅ。
  今のどうだった?
  翡波?」

ソロの翡波はみんなとは少しはなれてギターを弾いていた。

 「…真瞬君、ソラ君に合わせすぎ。
  瀬名は突っ走りすぎ。
  ソラ君は天才。」

それだけ言って翡波は自分の練習に戻る。

…なんか凄く感覚的過ぎる。

 「…やっぱ翡波はスゲェな。
  めっちゃありがたいお言葉貰った
  じゃん。」

今のが?

あたしには何のことかさっぱりだったんだけど…。

 「亜緒、こっち来いよ。」

真瞬君があたしにガレージから声をかけた。

 「え?いいよ。」

一緒に歌ってしまったら、寺島先輩の歌がわかんなくなる。

だから、あたしは歌えない。

 「亜緒、俺と一緒に歌ってみない
  ?」

翡波がいつの間にか家の中にあがりこんでいた。

 「あ、ちょっと!」