そんな明のあったかい笑顔に涙が出そうになった。

 「あたし、あーゆーの見てるとイラ
  ッとしちゃうんだよね。
  ベラベラしゃべっちゃう。」

これは…竜二のことと関係あるのかもしれない。

人を巻き込みたくないってのも…多分…。

 「…亜緒。
  もっとあたしのこと頼って?
  遠慮しなくていいんだよ。」

…明。

 「ありがとう。
  でも、やっぱ申し訳ないかな。
  こんなことにまでつき合わせち
  ゃって。」

 「あたしが好きでやってるんだし。
  いいんじゃない?」

明はいいヤツだ。

…明になら打ち明けてもいいかもしれない。

 「…明。  
  あたしが北海道にやってきた理由、
  言ってなかったよね。」

考えるよりも先に言葉が出ていた。

 「え?うん。」

 「…明、少し前にあったニュース、覚え
  てる?
  東京の高校に男が刃物持ってやってき
  たって。」