「お前、いっぱい話すようになった
  な。」

 「…そうかな?」

そうかもしれない。

こっちに来てから口数が多くなったような気がする。

 「軽音部のよさね…。
  自分本来の姿が出せるところかな。」

 「自分本来?」

 「自分が自分であれる場所。」

そう言って真瞬君は立ち上がった。

 「やってみて損はないと思うけど?
  皆歓迎してるみたいだし。」

 「なっ…。
  まだ決めたわけじゃ…。」

 「でも、そんなに軽音部のこと聞い
  てくるって事は…。」

あたしは真瞬君にぬいぐるみを投げた。

 「そんなんじゃないから!」

 「ごめんって!!
  ま、少なくとも俺は待ってるから。」

真瞬君がそう言って部屋を出て行った。

 「…なんなの?」

…あたしは…どうなんだろうか?

軽音部に入りたいって気持ちがあるんだろうか?