「部室、まだないからね。
  8月頃になるとわかんないけど。」

 「え?」

どーゆーことだろ?

 「まぁ、家に普通に帰ってくればい
  いから。」

 「あ、うん。
  …あのさー、真瞬君。」

ドアノブに手をかけた真瞬君が振り返る。

 「なに?」

 「軽音部は楽しい?」

 「…唐突だな。」

そう笑ってから、真瞬君はあたしの隣に腰掛けた。

 「だって、真瞬君は楽しいからやっ
  てるんでしょ?」

 「…そうだな。
  てか、俺は軽音部が好きだから。」

好き?

 「アイツらと騒いだり演奏したり。
  結局、アイツらが好きなんだよ。」

 「へぇ。
  じゃあさ、軽音部のよさって?」

真瞬君があたしの頭に手をのせた。