「ねぇ、亜緒いる?」

女子から黄色い声が飛ぶ。

あたしを呼んだのは…空雅君だ。

ここは先輩って呼ばなきゃいけないんだけど…

…苗字を知らない。

 「…なんですか?」

あたしはあくまで迷惑そうに返事をした。

 「今日さ、軽音部でカラオケ行くん
  だけど…。
  一緒に行かない?」

 「お断りします。」

女子の視線が痛いしね。

女子ってわりと面倒だし。

 「え?亜緒来ないの?」

 「あ…真瞬君。」

ますます女子の視線が痛い。

 「いや…その…。
  ほら。」

断る理由がない…。

ましてや真瞬君がいるんなら…まだマシかも…。

 「どーすんの?」