そう言って明が藤井君の頭をこづいた。
 
 「今日は出るよ。」

藤井君はそう言うとまた机に突っ伏した。

 「またかよ。
  翡波は一匹狼だからな、割と。」

 「翡波、ほら。
  授業始まるよ。」

藤井君に声をかけても無反応。

寝てしまったらしい…。

 「ま、いいだろ。
  こんな感じでやってるから、なんか
  あったら俺らに言って。」

 「あ、どうも。」

…軽いというかゆるいというか…。

あたしが固すぎるのかな?

でも…ここからだよね。

新しい自分見つけて、頑張っていかなきゃ。

 「では…教科書の30ページを開
  いて…。」

新品の教科書を開く。

新しい匂いがする。

…あたし、普通に頑張ります。