「亜緒ちゃん、これは?」

 「ああ、全部出して!」

あたしと真耶は部屋の片づけ中。

服とか小物とか…。

ダンボールから片っ端出してる。

 「…そろそろかなぁ。」

 「?なにが?」

 「兄ちゃんたちの練習。」

ああ、軽音部の。

結局、あの空雅君って人は軽音部でボーカルをやっている人だった。

つまり、真瞬君がタクシーの中で話していたソラって人は空雅君だったってこと。

…だからって普通あがりこんで来る?

 「ねぇ、亜緒ちゃん!
  片付け終わったら見に行こうよ!」

 「え?」

…気が進まない。

だからって断るのも悪いし。

 「…そうだね。行こうか。」

 「空雅君って、すごーく歌上手いんだ
  よ!」

 「へぇ…。」