聞いたことのない音で目を覚ました。

午前の10時…。

かなり寝てしまった…。

なんだろ、この音…。

 「あーおちゃん!」

 「ああ。おはよ…。」

真耶が部屋に朝ごはんを持ってきてくれた。

明日は早く起きなきゃ。

編入試験だし…。

 「兄ちゃんね、今ドラム叩いてるの。」

 「ドラムの音なんだ、これ。」

 「今日の午後からうちのガレージで軽
  音部の人たちが集まって練習するん
  だって。」

ああ。噂の軽音部か…。

 「皆イケメンなんだよ~。」

真耶の目はハートマークだ。

…イケメンねぇ。

あんまり期待しないでおこう。

 「へぇ…。」