「…緒!
  亜緒!!!」

あたしを呼ぶ声が聞こえた気がした。

遠く…違う…どんどん近づいてきている。

 「亜緒!」

肩に手が置かれた。

 「…頼哉。」

なんでこんなところに…。

病院は?

 「亜緒!
  いきなりすぎるよ!」

 「樹乃!」

樹乃まで…。

 「亜緒の友達?」

 「あ、真瞬君。
  あたし…。」

 「俺は一人で土産でも見てるわ。
  15分後に電話して。」

じゃあ。とだけ言って、真瞬君は歩いていった。

 「…えっと?」

まだイマイチ状況がわからない…。

 「お前の見送りに来たんだよ。」

 「学校サボりでね!」

…心があったかくなった。