竜二が突然立ち上がった。
あたしの手を引いて、店の外へ出る。

 「俺は…亜緒がいねぇとダメなんだよ。
  お前しかいねぇんだよ…!!」

…嘘ばっかり。

昨日だって、知らない女の子と歩いてたくせに。

あたしばっかり縛って、自分は自由に?

ふざけないでよ。

 「あたしは…竜二なんかいなくても生
  きていける。」

口でなら何とでも言える。

あたしの目はもうごまかせない。

こんなになったのは誰のせい?

 「…っ。」

駅の方まで歩いてきた。

涙が止まらない。

…まだ、竜二が好きなのかもしれない。

ダメな女だね、あたし。

でも…もうおしまい。

これからは自分のために生きなきゃ。

 「サヨナラ。」

あたしはそう呟いて、その街をあとにした。