そういえば小さい頃、気圧で目が飛び出るから目を閉じておけってパパに嘘を教えられたことがある。

そんなことあるわけないのに。

小さい頃を思い出して少し可笑しくなった。

 「あっちについてすぐ編入試験だもんな。」

 「ああ…。そうだね。」

真瞬君の通っている高校の偏差値はそこそこという話だ。

普通科に加えて農業科・商業科・情報科がある創立5年の新設校らしい。

ちなみにあたしは普通科を希望している。

 「亜緒って頭いいんだろ?」

 「そんなことないよ。普通。」

 「嘘つけ!!」

 「本当だから!
  オール3くらいだよ。」

 「普通だな!」

真瞬君が声を上げて笑った。

…まぁ、本当は平均してオール4くらいなんだけど。

 「でしょ?」

 「軽音部にさ、ソラってヤツがいるん
  だけど…。
  そいつはほぼ1だぜ!
  体育と音楽は5だけど!」