真瞬君といると不思議と自分を制御できていた。

真瞬君はすごくあったかくて…。

あたしは真瞬君にすごく救われた。

…でも、怖い。

真瞬君が帰ってしまったら…?

なにをやらかすかわからない。

下手したら死ぬかもしれない…。

あたしはすごく脆くて弱いから…。

どうすればいい?あたし…。

真瞬君の側にいられる方法って…。

…あ。

 「真瞬君。」

 「ん?」

駅前へと向かう足が止まる。

 「あたし…。
  あたし、北海道に行く。」

 「え?」

 「…行きたいの。
  できれば今すぐにでも。」

真瞬君はそれ以上何も言わなかった。

また人を困らせた。

…あたしは人を困らせる天才かもしれない。