「…亜緒から会いに来るなんて珍しい
  じゃん。」

彼…竜二はやつれた顔でそう言った。

このあたりでは結構ヤバイ奴らとつるんでるらしい。

多分…アレのせい。

 「わかってるんでしょ?」

竜二は何も言わずにポケットからタバコを出した。

 「俺と別れたいって?」

 「それしかないじゃん。」

 「…俺から逃げられるとでも?」

粘着なヤツ…。

もうウンザリだ。

 「そーゆーところが嫌なの!」

あたしは竜二をにらみつけた。

 「お前は俺のだって何回言ったら…。」

この束縛にあたしはずっと耐えてきた。
でも、竜二のワガママにはいい加減疲れたの。

 「あたしは竜二のモンじゃない!
  あたしは…!」

あの頃の竜二が好きだった。
それなのに…。