「ライレフ…ねぇ。」

静かな部屋。

高級そうな椅子。

低い声が響いた。

 「奇跡の歌声…。
  そして天使の歌声…。
  全てが奇跡に近い。
  でも荒削りだ。
  まだプロには程遠い」

 「ですが…試してみませんか?
  彼らの才能。
  成長をとげれば信じられないほど
  …。」

 「もちろんそのつもりだ。
  このメンバーは容姿もいい。
  すぐに話題になる。」

 「わかりました。
  では、後ほど。」

ギィーッとドアが閉まった。

 「北海道の高校生バンドがどこまで
  やれるか。
  見ものだな。」

そう言って男は低い声で笑った。