「ライブは1時からか…。
  それまで時間あるな。」

 「あたしのクラスはクレープ屋さん
  やるんだ。
  他にも色んな模擬店あるよ。」

結構定番な模擬店が多いんだけどね。

 「店番終わったら電話するよ。
  時間あれば一緒にまわろう?」

 「了解。
  じゃあ、またあとで。」

頼哉の左手が目に入った。

手術の痕がまだ残っている。

 「…もう終わったことだ。
  気にすんな!」

頼哉がすれ違いざまにそう言ったのが聞こえた。

 「…うん。」

…なんか変な気使わせちゃったなぁ。

 「亜緒。」

 「あ、真瞬君。」

 「さっきのって、空港まで来た…。」

ああ、真瞬君は二人に会ったことあるんだっけ?