沙紀と出会ったのは中学に入学した頃だった。

夏目沙紀。

沙紀はショートカットがよく似合っていた。

運動も勉強も出来て、明るくて楽しいやつだった。

クラスのアイドル的存在だった。

沙紀も音楽が好きだったんだ。

色んな曲を2人で聞いた。

2人でライブにも行った。

いつの間にか…オレは沙紀のことが好きになっていた。

沙紀がオレのことをどう思っていたのかなんて知らないけど、オレといるときはいつも笑顔で…。

それを見ているだけでもオレは幸せだった。

学校行くのとかマジ楽しくてさ…。

オレもあの時は若かった。

まぁ、まだ高2なんだけど。

でもさ、やっぱ上手くいかないもんだね。

神様なんてのはいないよ。

存在しない。

なんでって…?