「ソラ君のバカ。」

聞こえないように口を塞いで呟いた。

 「…バカで結構。」

…聞こえてたの?

…もういいよ。

知らない。

 「…え?」

いきなり腕をつかまれた。

 「…っ!?」

そしてそのまま…。

あたし…今…。

 「…何してんだ、オレ。
  亜緒の言うとおりだな。」

今のも忘れて。とソラ君はあたしを置いてレコーディング室を出て行った。

 「…忘れられるわけない。」

ソラ君とキスをした。

…正確にはソラ君にキスされた。

 「亜緒、もうそろそろ…。」

真瞬君…。