家の仕事は嫌いじゃない。

でも…それよりも歌が好きだ。

今日は夏休み最終日だっていうのに。

 「…あ。」

なんで亜緒がいんだよ。

オレ今…スッゲェ暗い顔してるな…。

 「あのね、Tシャツ届いたから。」

 「ああ、サンキュ。
  てか、今日行けなくてゴメン。」

亜緒が笑顔で首を振る。

…なんかツラい。

沙紀の顔見てるみたいだ。

どことなく笑顔が似てる。

…何考えてるんだ、オレ。

 「今日は?
  何するの?」

 「え?
  ああ…羊の毛をね。」

 「そうなんだ。
  頑張ってね。」

…やめろよ、亜緒。

その顔で手を振るな。
 
…オレ、お前の笑顔嫌いだ。

辛くなる。