夏休みも終わりに近づいてきた。

今日はソラ君が家から自家製アイスクリームを持ってきた。

近いうちに商品化って言う話。

 「いいよな、ソラは。
  牛乳代浮くし。」

郁月君が主婦みたいなことを言い出した。

 「牛乳のおすそ分け貰うけどな。
  たまに。」

真瞬君が溶けはじめたアイスクリームを口に運ぶ。

 「こっちだって商売なんだしさー。
  毎回ってワケにも行かないでし
  ょ。」

こんな他愛のない会話をして毎日が過ぎていく。

夏休みは短い。

 「さすが跡取り。
  今からそんなこと考えてるんだ。」

 「一応ね。」

今日もソラ君の笑顔は眩しい。

声を聞くたびに胸が苦しくなる。

 「Tシャツのデザインの話だけどさ、
  明日締め切りじゃん。」

 「うん。」